今日偶然に、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ《春》を間近で聞かせてもらった。ちょっとねぇ、かなり感動してしまったよ。

今思うのは、もっと近くで聞けばよかったなぁ、ということ。練習(だったんです)の邪魔になるかなぁ、と思って。たぶん一歩近付くに連れて、等比数列級に感動が増したんじゃないかなと思ったり。

実は、まともに《春》って聞いた事なかった。で、聞きながら思っていたのは、ベートーヴェンっすごくアイデアマンだったんだなって事。一つのピアノと一つのヴァイオリンで、手を変え品を変え楽しませてくれる。

また、ピアノは訳あって電子ピアノだったんだけど、あぁ、やっぱり電子ピアノじゃあだめだなと思った。正確に言うと、このピアニストは電子ピアノでは歌えないな、と思った。

たぶんこのピアニストはピアノの弦をキチンと歌わせられる人なんだと思った。結局ピアノの巧拙はそれに尽きる。バックハウスなんて、鍵盤でヴィブラート、掛けるからね(笑)。

電子ピアノは僕はワリと肯定派だったけれど、今日この演奏を聞いて、逆説的に電子ピアノの限界を知った。《電子ピアノには弦がない》一言で言うならこれである。

また、今日は「取りあえず合わせた」レベルだったけれど、それが逆にすごく面白かった。言葉を介さない、まさに、対話であった。

今日はお互い譲り合う様な演奏だった。これがまさに空気のようにできる様になるには…たしかにアルゲリッチの行動は一理あるかもしれない(笑)。でも本当に《空気》になってしまったら耳を引きつけないかもしれない。

容易く空気にさせないのが、優れた作曲と言うものなのかもしれない。