シンガーソングライター 伊藤龍太 頭ん中

いろいろ、書いたり、作ったり、歌ったり

2020年01月

コテンコテン流 クラシック超入門
砂川 しげひさ
東京書籍(株)
2000-08-09


代表作は『寄らば斬るド』『おんな武蔵』の他、1996年から2003年まで朝日新聞夕刊に連載された4コマ漫画『Mr.ボォ』→『ワガハイ』など。漫画のほか、造詣が深いクラシック音楽に関するイラストつきエッセイや、絵本を多く執筆している。

2019年3月6日、うっ血性心不全のため死去。77歳だった。

クラシック音楽が好きになって、でも、周りにはそんな仲間は誰一人としておらず、孤独だった高校生時代(いや、今もだけどね)。

もしも、もっと若い時、クラシック仲間が周りにいたのなら、砂川さんの著作を読んでるときに感じるような、楽しさ、幸せさが共有できたのかもしれない。

もう40歳だし、そんな友達は、たぶん死ぬまで出来そうもない。だからこそ、砂川さんの著作はさらに心のひだに触れてくる、輝き続ける。

吉田秀和なんかでは、どうも、だめだ(自分は、まだ、足りない、そんな孤独感を強めるだけなのかしらん)。

砂川さんの著作に、あたまにきたり、鼻で笑ったりするのは、学者かスノッブ、そして、学者かスノッブになりたい人だけ。そして残念ながら、そういう人が大多数を占めていることがナゲカワシイ。

本当に、大衆の言葉で、大衆に向けてクラシック語れた、スゴイヒト。

砂川しげひささんに幸あれ!


まんがんでんちまん は 怒る
「さいきんの 若い でんちどもは、じゅうでん とかいう ふざけた きのうを とうさいしている。しんでも また よみがえられる から こうじょうしん というものが そだたない」

まんがんでんちまん は さけぶ
「ふつう でんちは しぬんだ。わたしは これから しんでやる。しんでやるんだ」

ほかの わかい でんち が あつまる
「まんがんじいさんが なんか いっているな」
「あつい ひ が つづいて いるからね」
「もう しんだ ような ものじゃないか」

と さまざまに あざわらい ほとんど むししているようでした が はんぶんは ほんとうは なにかが おきるのではないか と きたいして みていたのでした。

しかし まんがんでんちまん は なかなか しにません。
「そろそろ しぬぞ」
「もうすこしで しぬぞ」
「まもなく しぬぞ」
わかい でんち は だんだんと あきてきまして、
ひとりさり ふたりさり、そして しまいには だれもいなくなってしまいました。

「お そろそろ しねそうだ。きてみろ わかいしゅう。おーーーい。わたしは そろそろ しぬぞ」

しかし だれもきません。

まんがんでんちまん は くやしがりました。

きっと うそつきしょうねんのように、じぶんが「しぬぞしぬぞ」と いいすぎて、まわりが しんよう しなくなって しまったのではないか と おもっていました。

けれど じっさいには そうでは ありません、まんがんでんちまん の こえは、ありんこ も ききとれないくらい ちいさい ものに なって いたからです。

まんがん でんちまん は おもいました

「しぬぞ しぬぞ と 言いつづけて 終わってゆく じぶんの じんせい って なんだろう。まわり に だれも いない こどくな じょうたい で しんで ゆく じぶん って いったい なん だろう」

まんがんでんちまん は いきを ひきとりました。ころがっている きんぞく の くずを、ごみぎょうしゃ が かいしゅう して ゆきました。

おしまい。

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