2013年03月

たとえば、ワルター・クリーンとかイェルク・デームスとかヴィルヘルム・バックハウスとか、ベーゼンドルファーをメインに弾いているピアニストがいる。

そういう人たちの録音はよく「音質がいまいち」「紙臭い」やら散々な表現でケナされることがよくある。いやいや、それはベーゼンドルファーの音なんですが…と思うんですが。

こうどうして、「音が悪い」と判断されるのだろう。どうして、元の音が違うという発想まで至らないのだろう。考察してみた。

録音、というものが発明されて、100年近くたとうとしている。その技術を発展させるために、いろんな音が基準となっただろう。ピアノの録音も、何のピアノを基準にしたかが結構大事になってくる。

そこで、スタインウェイのピアノが一つの基準とされたのではないかと思った。

スタインウェイのピアノがきれいに録れている、つまり高音部がキラキラしてるような音、それが「いい音」という価値観の刷り込みを私たちは無意識のうちにされてしまっているのかもしれない。「Hi-Fi」という言葉自体「High」という言葉が入り「高音域」が強調されているではないか。その反対の低音質が「Low-Fi」というのも解せない。

そういう録音法でベーゼンドルファーを録ったり編集されていたら、やはり歪曲した音になるだろうし、きれいにとても、「Hi-Fi」に慣らされている私たちは「音が悪い」と判断されてしまう。

こうして、文化というのは淘汰されて行ってしまう。何かでっかいものが「反対」を表明しない限り。

ザ・ギルデッド・ホーク
ザ・ギルデッド・ホーク [CD]

また、ジャズの話題で申し訳ない。

私は、たまーにジャズの復刻新譜を買ったりするが、大体、次の出荷(中古屋送り)になることが多いい。しかし、これはかなり耐えている一枚といえるだろう。

テナーサックスの父(と呼ばれていたっけ??)、コールマン・ホーキンス、いわゆる、ウィズ・ストリングスものであり、たるい演奏なのだが、グレン・オッサーズによる編曲が結構いい。そして、当たり前ながらホーキンスがよい。

家族サービスをし、社会の重圧に耐え、バーで一息抜いているお父さん、というような演奏かな。厳しさもあり、甘さもあり、子供っぽさもあり、大分表現力が豊かである。



こんなものが、映像に残ってること自体びっくりだが、天才パーカーとホーキンズの共演した時のVTR。まるで反抗期の子供と、それを抱えた父親ってかんじ。

社会にもまれ、いわゆる処世術を身につけたような父ホーキンスの演奏を、パーカーはバカにしたように見ているように見える。で、わりこむように、だれにも縛られない才気煥発のアドリブを奏でるパーカー。しかし、珍しくパーカーは冷静さを欠いているようにも見える。ちょっとやりすぎ感があるのだ。それくらいホーキンスの存在感はでかいのだろう。

私はパーカーも好きだが、それは、その演奏のピュアさを聴いているような気がする。それも素晴らしい体験だが、ホーキンズの社会にもまれた、どちらかというと子供から見ると胡散臭いテナーの味も、だんだんと沁みるようになってきた。そして、そうしてまで、ジャズというものに生きる男の背中に。
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クリックしてくれると若干やる気が出るような〜。

コンプリート・ロイヤル・ルースト・ライブ・レコーディングス・オン・サヴォイ VOL.2
コンプリート・ロイヤル・ルースト・ライブ・レコーディングス・オン・サヴォイ VOL.2 [CD]

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それはさておきと、最近パーカーにはまりつつある。

私が最初に触れたのは四つ折りジャケット(わかる人には分るだろう)のコロムビア盤だった。「ジニアス・オブ・チャーリー・パーカー」というやつ。オムニバスでね、なんか古臭い歌も入ってる。
ザ・ジニアス・オブ・チャーリー・パーカー [CD]

ビル・クロウが書いて村上春樹が翻訳した「ジャズ・アクドネーツ」にこの古臭い歌のセッションのことが書いてある。歌手とパーカーが掛け合いうのだけれど、その内容が、

パーカー「やる気まんまんさ。だけど問題があってね」
歌手「なんだい、リードでも忘れたのか。だったら、テナーのを借りて削ればいい」
パーカー「そうするよ」

というものなんだけど、これが、みんな冗談だと思っていた。だけど、実際にリードを忘れて、テナー奏者のそれを使っていたらしい。「おぉぉ、あの録音にこんないわくが〜」とちょっと感動したよね。スイング・ジャーナル誌をたまに買っていた時期のことだよ。連載があってね。

話を戻そう。

サヴォイのパーカーの全容が知りたくなって、買ったんだよね。キング盤のスタジオ録音全集を。それを、ぼちぼち聴いているとだんだん頭がトランスしてきてね(笑)。

で、よく調べてみると、そのあと出たコロムビア盤の方が曲数が多いみたいなの。あとで発見したテイクでもあるのかな、と思い、コロムビアの全集も買ったんだ(笑)。後半のライブもまぁ手に入るなら一石二鳥かなと。

そしたら、届いたのがキング盤なのよ(笑)。あれーって思って。すぐにコロムビア盤全集を注文し直したんだけど、そのあとよく調べてみたら、トラックの切り方が違うだけだった!あわててキャンセルしたよ。よかったよかった。

で、そうなると、正直スタジオ録音がダブってしまって、聞きたいのはそれだから困ったなと思うんだけど。後半はロイヤル・ルーストのライブ録音の寄せ集めで、あまり興味がなかったんだけど聞いてみた。(どうしてこれがサヴォイレコード名義なのかよくわからないけど。音源をまるまる買い取ったのかな)。

で、やっぱり、音のバランスが悪いのが余り頂けないけど、結構パーカーは快調でね、なかなか聞かせる。そして「ホワイト・クリスマス」が入ってるの〜♪これはなんだか、思いがけないプレゼント♪こういう曲からパーカーに入るといいんじゃないかなと思う。他の曲でも「ジングルベル」を挿入したり、かなり楽しい。

相方のトランペッターの違いも面白い。一番合っているなーと思うのがケニー・ドーハムで、パーカーも同級生のように、負けずに吹いている。もちろん、私たちの耳からすると、パーカーの方がダントツに存在感があるが、演奏者同士は意外にライバル視をしていたり、尊敬してたりするんじゃないかな。ドーハムは音色が地味だけど、テクニックもしっかりしているし、結構パリパリ吹いてる。

時間がなくなったのか、超怪速で演奏している曲もあり楽しい。異様に客が盛り上がっているのもある。

正規のライブ盤ということで、逆に注目されズにいるような気がする、この、ロイヤル・ルースト盤4種。音質は確かにいま一つだし、ピアノが遠くて、ソロのときだけ浮かび上がってくる…というのが個人的にはすごくイヤなんだけれど、全部大体同〜じ音のクオリティで楽しめるのは利点だと思うな。

現在は上の写真のコロムビア盤に入ってる。こちらは曲順とかキング盤とまったく変更なしです。

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