以前、はっぴいえんどにあまり影響されていない、と書いた。けど、そんなこともないような気がしてきた。

そもそも、はっぴいえんどを聴いてみようと思ったのは、細野さんがビーチ・ボーイズが好きだ、という文章を見かけたからだった。自分は芋づる的に興味を広げるので、きっと 細野(晴臣)さんの音楽は、ビーチ・ボーイズが好きな自分にも楽しいものだろうと思ったのだ。

というわけで、名盤とよばれる「風街ろまん」を買ったのです(←)。

最初は「ふーん」といった感じであった。有名曲の「風をあつめて」も「ふーん」といった感じだ。まぁ、これがはっぴいえんどの代表曲ということで、何度か聞いているうちに好きになってきた。

はっぴいえんどは日本語ロックの開祖といわれる。だったら、「日本語ロックの型」というか「コンセプト」というものがどこかにひそんでいるに違いない、そう思いもっとよく聞いてみた。

そうしているうちに、その「コンセプト」が見えてきたのは、細野さんより、むしろ大滝(詠一)さんの音楽の方であった。つまり簡単に言うと3コードの徹底ということである。

当時の僕は単純なので、3コードこそがロックなのである、という思想を得るにいたった。そうして、僕は大滝党(つまり「ナイアガラー」ですか)へ24.5センチの第一歩を踏み出すことになる。

じっくり論じると、肩が痛くなってくるので、そんなに詳しくは書きたくないけれど、大滝さんは、大滝さんの考える「ロックの型」というものに自分を当てはめて「抱きしめたい」という曲を書き上げた、のではないか、ということを今現在思う。

そういう「鋳型」に自分を押し込んで、むしろ「この鋳型は何か?」ということを聴衆に問いかける音楽というのは、全く体験したことのない音楽であり、当時は分からなかったが、とにかく脳味噌がぐちゃぐちゃになってしまうほどの混乱と熱狂を若き日のワタシにもたらした。

その「ロックの鋳型」にギュッと押し込まれた大滝さんの楽曲の、なんという愛おしいこと!!!
まさに異形の天才である。



最近、内田樹さんが、大滝さんの「えらさ」をとてもわかりやすく紐解いてくれている。この本の冒頭の対談をぜひ読んでみてください。