2012年06月



自分は結構醒めてる人間だと思う。だから、こんな言葉をまさか使わなくてはいけない日が来るとは思わなかった。

奇跡というものはある。それを少しだけ信じてもいいかなと、今回ばかりは思った。

ビーチ・ボーイズの新譜が出たのだ!!!

前年、幻の《スマイル》がとうとう公式に完成されて(というと語弊があるけれど)出たけれど、どこかこれは「もしかしたら叶いそうな奇跡」と、みんなどこか心の隅っこで思っていたに違いない。少なくとも僕はそうである。

しかし、今回は違う。まさか、3つに分裂したビーチ・ボーイズ達が、また一つにマイクの前に寄り添い、あの温かいハーモニーを響かせてくれる日がこようとは。

リーダー、ブライアン・ウィルソンの復帰後のソロ活動には目覚ましいものがある。しかし、私はどこかさみしい思いをしていたのを告白しなくてはいけない。ビーチ・ボーイズにはあって、ブライアン・ウィルソンにないものをすごく痛感させられる瞬間がたくさんあった。それは、温かいハーモニーである。

ブライアン・ウィルソン・バンドのハーモニーは確かに上手くタイトである。しかし、どこか冷たくよそよそしい。リメイクのブライアン・ウィルソン盤の《スマイル》もそのよそよそしさがいかんともしがたかった。

それを聞くたびに、ビーチ・ボーイズは確かにブライアンのバンドであるが、そのハーモニーも魅力の半分を占めていたのだ、ということに気づくのである。

もうそれは、一生聞くことができないだろう、と、もう大体のファンはあきらめていたに違いない。

しかし、それが叶ったのだ!!!

もちろん、カールやデニスの顔はない。1stアルバムしか参加してないデビット・マークスまでを引っ張ってきて、なんとか頭数をそろえた感もあるのだけれど、デニスはもともとハーモニーには参加していないし、足りないのはカールだけなのだ。アル・ジャーディンとマイクとブライアンのハーモニーがあれば、もうほとんど、あの「ビーチ・ボーイズ」になるのだ。

《イマジネーション》でのプロデューサーのジョー・トーマスが参加しているが、なかなかいい仕事をしている。《イマジネーション》は過小評価されすぎのアルバムである。ブライアンとジョーは相性がいいと思っていたが、この大役が回ってきたのをみて、やっぱりね、と思った。

全体的にミディアムテンポの曲が多いけれど、それがつねに「太陽の温かさ」に包まれているようであり、まさに「エンドレス・サマー」な響きだ。もうこのハーモニーに永遠に包まれていたい。

コーラスのカウンターメロディ、リフの入れ方、そして大サビでの重厚なオープンハーモニー。どこをどう切ってもビーチ・ボーイズだ。最近、省エネ音楽が増えているなかで、この「人の声」を用いた大伽藍の音楽は、それだけで「本物の音楽」を伝えてくれる。こんな音楽は、実は昔からあまりなかったけれど、今や全くない。これが音楽だ!

最初の序曲は、とても物悲しい響きがして、この「再結成」には暗いと感じるが、私は胸に響いてきた。この短調の響きは「どうして僕たちは今まで離れ離れだったんだろう」という後悔を伝えているようだ。とてもセンチメンタルな音楽の聴き方だと思うが、これはぐっときた。ファンの気持ちを代弁した一曲である。

ブライアンは自伝(もう20年以上も前の本である)で、再結成のことについて触れている。たしか「またいつか一緒にできると思う。出来れば、僕らが悪くないハーモニーを維持出てきているうちがいいけれど…」みたいに書かれていた。

うん、間に合ったね、ビーチ・ボーイズ。万歳…。



さて、奇跡は、終わらない。

なんと、ビーチ・ボーイズが来日するのだ!!!!

もう聞けないと思っていた彼らのハーモニーが、なんと生で聴けてしまう!!!
もちろんチケット買いました。鼻血ぶ…。

Eight Classic Albums
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最近これ聞いてるのだよ。

バド・パウエルは好きなピアニストだ。この人はジャズ・ピアノの神様とか呼ばれていて、結構恐れ多く聴いていたのだけれど、今になって聞くと、とても陽気で楽しいピアニストだ。

このシリーズはいろいろ出ているんだけれど、どの基準でアルバムを選定しているのか全く意味がわからない。
そのなかで、このバド・パウエルだけは、よくできている。

間違った情報かもしれないが、「バド・パウエルの芸術」は、昔はSPで分売されていた。それをその分売通りに曲順をただしたところがまず偉い。

そして、CD時代になって、オリジナルの曲順無視でぶち込まれた「アメイジング・バド・パウエルvol.1」と「同2」をオリジナル曲順に戻したのがさらに偉い。よって、入っていないボーナストラックも出てきてしまうのだが、別にいいじゃないの。「オリジナル・アルバム・クラシックス」なのだから。

あと、ブルーノートというレーベルがあまり好きじゃないので、「アメイジングvol.3〜vol.5」は聴いたことがない。それが一挙に入っていて偉い。そして値段が1000円切っていてすごい。

超絶技巧、とか言われるけれど、クラシックのピアニストと比べると、ほんと大したことがない。彼の良さは、演奏への没入と、その独特なハーモニーだ。

あと、やはり、バップ・ピアノの真髄を聴く、という意味では、やはりパーカーのような「ピュア」さがあるような気がする。その「ピュア」な部分を、自分がたまに彼らに求めてしまって仕方がない。とても純粋な、生まれたての音楽があるような気がするのだ。

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